ドローンと手持ちスキャナーはどう使い分ける?欠測の埋め方

ドローンと手持ちスキャナーはどう使い分ける?欠測の埋め方

ドローン写真と手持ち型レーザースキャナーは、取りたい面で使い分けます。

  • 開けた地表を広く取る:ドローン写真
  • 擁壁の側面や張り出しの下面など、上空から見えない面を取る:手持ち型レーザースキャナー
  • 樹木の下の地表を広く取る:UAVレーザー

欠けた場所を、すべて地上計測で埋める必要はありません。写真の重なりや撮影角度が足りないだけなら、再飛行で直ります。地上から取り足すのは、空から見えないが安全に近づける面だけです。

そのためにも、先に決めるのは点群の密度ではなく、土量や断面に必要な面です。必要な地表・法肩・法尻・構造物の端部・立面・下面を、平面図や断面位置に書き込みます。これで、再飛行と地上補測を分けられます。断面線の決め方は、点群から現況断面を切り出す手順で説明しています。

広い上面はドローン、側面・下面は地上計測

必要な範囲・面選ぶ方法選び直す条件
開けた造成面、盛土・切土、資材置場など、上空から連続して見える面ドローン写真測量写真の重なりや角度を直せば面が復元できるなら、再飛行する
擁壁・建物の立面、張り出しの下面、深い溝、橋梁下など、上空から写らない面手持ち型レーザースキャナー地上から安全に近づき、対象面を見通せる場合に限る
樹木下の地表を広く面で取りたい場所UAVレーザーレーザーが樹冠の隙間から地表へ届くことが前提。植生が密で地表点が足りない場合は、地上計測も組み合わせる
資材や構造物で完全に覆われた地表遮蔽物を移して再計測するか、見える方向から地上計測するレーザーも固体の裏側は取れない。動かせず見通せない範囲は、欠測として残す
立入りできない斜面や高所の重要点安全な位置から使えるTS・TLSなどどの方法でも必要な面が見えない場合は、欠測として残すか方式を変える

FLIGHTSは、UAVレーザーによる計測代行と導入支援を扱っています。UAV搭載型レーザースキャナー「FLIGHTS SCAN」も提供しています。写真測量では取りにくい樹木下の地表を広く測る場合は、相談先になります。擁壁の側面や構造物の下面など、地上から近づける局所の補測には、ラクソクRentのほうが合います。

計算に使う方向からの欠測の見つけ方

ドローン写真から作った点群は、上から見るだけでは立面や下面の欠けを見落とします。土量を求める範囲や予定した断面で表示します。欠けている理由を、次の3つに分けます。

欠けている理由直し方
写真に写っていないため、面そのものがない上空から見えない面なら、地上計測に切り替える
写っているが、重なりや特徴が足りず点群になっていない対象が複数の写真に写るように経路や角度を直し、再飛行する
点はあるが、草木・車両・資材で地表が隠れている不要な点を削っても地表は現れない。遮蔽物を動かせるときに取り直すか、見える方向から追加計測する

公共測量としてUAV写真から点群を作る場合は、写真を増やすだけでは足りません。標定点・検証点・撮影・三次元形状復元・品質評価を、一つの作業として計画します。UAV写真点群測量は、国土地理院の現行の「作業規程の準則」に含まれています。標定点・検証点や撮影・復元結果の精度管理表も定められています。RTK・GCP・検証点の役割は、RTKドローンでGCPを減らせる条件で説明しています。

欠けた面と共通部分をまとめて取る地上補測

手持ち型レーザースキャナーで補うときは、穴の部分だけに近づいて終えません。次の順で計測します。

  1. 欠測した面と、断面・土量に使う範囲を現地で確かめます。
  2. ドローン点群にも地上点群にも写るものを含めます。動かない地面・壁・構造物や、別に測った標識です。
  3. 対象面を一方向だけでなく、できる範囲で別方向からも取ります。
  4. 計測後すぐに点群を開き、予定した断面で面がつながっているかを確かめます。

ラクソクRentなら、ラクソクScan Handy1で取った点群を、その場でPCへ移せます。解析ソフトのラクソクStudioで断面・距離・高低差・面積を出せます。欲しかった面が取れたかを、現場へ戻れるうちに確かめられます。

手持ち型のLidarSLAMは、歩いた経路から自分の位置を推定しながら点群をつなぎます。長い経路や特徴の少ない場所では、結果がばらつくことがあります。公共測量で使う場合、国土地理院は機器ごとの精度・性能試験と計測計画を求めています。標定点・検証点の設定や、計測実績・点検の記録も必要です。Rentの掲載仕様だけでは、案件の要求精度を満たすとは判断しません。

ラクソクGeoとラクソクRentの役割分担

ラクソクGeoは、ドローン写真のアップロードから出来高報告書の作成までを案内しています。点群生成と、指定範囲の任意2時点の土量計算も含みます。開けた地表をドローン写真で広く取り、施工前後の土量を見る工程に使います。

ラクソクRentは、上空から写らない立面・下面や、局所的に欠けた面を地上から取る工程に使います。取った面は、Studioで断面・距離・高低差・面積を確かめます。

二つは別々の製品の工程です。Scan Handy1の点群をGeoへ直接取り込めるかは、現行の公開情報では確認できません。二つの点群を一つの成果にする場合は、次を別に決めます。

  • 同じ座標系と高さを、どの点で与えるか
  • 両方に写る共通部分や標識を何にするか
  • どのソフトとファイル形式で位置を合わせるか
  • 位置合わせに使っていない点で、水平位置と高さをどう確かめるか
  • 重なる部分を、どちらの点群にそろえるか

この工程が決まるまでは、二つの点群を足して土量を計算しません。ドローン点群だけで完結する範囲と、地上点群で寸法・断面を見る範囲に分けます。または、点群の統合を扱える担当者へ渡します。位置合わせ後にずれが残る場合は、点群と図面がずれるときの再処理と再計測で原因を切り分けます。

合わないときの戻り先

  • ドローン点群の穴が、撮影角度や写真のつながりの不足による場合:処理設定で埋めず、必要な面が写るように再飛行します。
  • 地上点群で同じ壁が二重に見える、始点と終点が合わない場合:その区間を短くし、動かない面を重ねて取り直します。
  • 二つの点群が同じ量だけずれる場合:座標系・高さ・標識の対応・単位を確かめ、位置合わせをやり直します。一部だけ形が合わない場合は、無理に変形せず、誤差のある側を取り直します。
  • 安全に近づけず、別の角度からも必要な面を取れない場合:取得できなかった範囲として示します。周りの点から推定した形を、測った面として扱いません。

まとめ:欠けた面を1つ選び、理由で振り分け

広い上面はドローン写真、上空から見えない面は手持ちスキャナー、樹木の下の地表はUAVレーザーです。

次は、予定する土量範囲や断面の上で、欠けた面を1つ選んでください。その理由を、「写っていない」「写っているが点群になっていない」「別の物で隠れている」に振り分けます。

  • 写真の不足なら、再飛行
  • 地上から見える面なら、ラクソクRent
  • 植生の下の地表を広く取るなら、UAVレーザー

異なる点群を合わせる場合は、共通部分と独立した検証点を決めてから、追加計測に進みます。