点群計測は購入・レンタル・外注のどれ?実案件で決める方法

点群計測は購入・レンタル・外注のどれ?実案件で決める方法

点群計測を買うか、借りるか、外注するかは、「自社でどこまで終えられるか」で決まります。

  • 外注:完成図面や公共測量成果まで必要で、自社で精度を確かめられない場合
  • レンタル:断面や距離の確認を繰り返す見込みはあるが、機材と処理が合うか分からない場合
  • 購入:同じ仕事を社内で再現でき、保守や故障時の代替まで含めても割安と分かった場合

スキャナーを操作できただけでは、内製化したことになりません。計測から判断までを、次の順に社内で通せるかが基準です。

  1. 必要な面を取得する
  2. PCへ移し、欠測を見つける
  3. 断面や寸法を取り出す
  4. その結果を使う人が判断する

自社で終える範囲の決め方

選択向く状態選ばないほうがよい状態
外注検図済み図面、公共測量成果、厳しい絶対精度の管理まで必要。社内に計測・処理・確認を担う人がいない現場の小さな変更ごとに再訪を待たず、自社で点群を見直したい
レンタル内製候補の仕事はあるが、現場で取れるか、処理できるか、後工程へ渡せるかが未確認作業者や完成図面まで一式で任せたい
購入同じ用途が繰り返しあり、複数回でも計測から確認まで再現できる。稼働しない期間と維持費も含めて説明できる一度の試用で点群が表示できただけ。または用途ごとに必要な機材が変わる

最初に内製する仕事は、頻度の高さだけで選びません。社内で成果の良し悪しを判断できるものから選びます。候補にしやすいのは次の仕事です。

  • 施工検討位置の断面
  • 既設物どうしの距離・高低差
  • 床・法面・壁面の面積
  • 改修前の現況記録

反対に、検図済みの図面や公共測量成果が必要な仕事から始めるのは避けます。社内で点群の位置・高さ・欠測を確かめられなければ、機材が動いても外注は減りません。

レンタルでの実案件の一巡

ラクソクRentは、スキャナー・スマホ・解析ソフト・PCをまとめて借りる構成です。スキャナーはラクソクScan Handy1、スマホのアプリはラクソクGo、解析ソフトはラクソクStudioです。機材と処理環境を別々に買う前に、次の順で一つの案件を通します。

  1. 欲しい成果を一つ決めます。断面なら位置と向き、距離なら端点、面積なら境界を図面に書き込みます。
  2. その成果に必要な許容差、座標と高さの要否、後工程へ渡すデータを決めます。
  3. 対象面と端部を複数方向から取れる経路を決めます。スマホで取得状況を見ながら計測します。
  4. スキャナーからUSBでPCへデータを取り込み、Studioで点群を開きます。
  5. 断面・距離・高低差・面積の機能で、最初に決めた成果を取り出します。
  6. その結果を実際に使う担当者が、判断に使えるかを確かめます。

Studioで確認できるのは、断面・距離・高低差・面積までです。CAD図面や検図、公共測量成果が必要なら、使うソフトと人の作業も試用に含めます。そこまで通せて初めて、その仕事を内製できるかを判断できます。

同じ成果までの費用比較

購入・レンタル・外注は、同じ成果を得るまでの費用と手間をそろえて比べます。次の表を、実案件の記録と各社の見積で埋めます。

費用の項目購入レンタル外注
機材・ソフト・PC購入額÷使用年数期間料金×回数委託費に含む
保守・保管・故障時の代替年間の保守費・保管費契約条件による委託費に含む
社内の計測・処理・確認作業時間×人件費単価作業時間×人件費単価確認時間×人件費単価
教育初回+担当交代時初回ほぼ不要
再計測・再訪社内で対応社内で対応契約条件による
CAD作図・検図社内作業または別途外注社内作業または別途外注契約条件による

「契約条件による」の項目は、見積を取るときに、含まれる範囲を明記してもらいます。

表の「社内の計測・処理・確認」は、試用中の記録から埋めます。記録するのは、次の作業ごとの時間です。

  • 現場準備と計測
  • USBでの取込みと点群の表示
  • 欠測や二重面の確認
  • 断面・距離・高低差・面積の取り出し
  • 座標や高さの確認とCAD作業
  • 再計測と再処理
  • 結果を使う人の確認と差し戻し

年に何回使えば購入が得か、という回数だけでは決まりません。仕事の種類や必要な機材、外注に残す範囲が、案件ごとに違うためです。

購入に進む5つの条件

  • 同じ種類の仕事で、別の計測でも必要な面と成果を取れた
  • 一人の経験に頼らず、決めた手順で欠測とずれを見つけられた
  • 必要な座標・高さ・許容差を、社内か別の方法で検証できた
  • CADや施工検討など、次の担当者へ必要な形で渡せた
  • 保守・ソフト・PC・教育・故障時の代替を含めても、レンタル継続や外注より安いと説明できた

使う時期が限られる場合や、案件ごとに機材が変わる場合は、レンタルを続けます。処理担当者を固定できない場合も同じです。厳しい絶対精度や公共測量成果など、自社で確かめられない部分は、購入後も外注に残します。

試用でつまずいたときの戻り先

  • 必要な面が欠けた:機材を変える前に、経路と見通しを見直します。欠けた範囲だけを別方向から取り直します。同じ壁が二重になる場合は、屋内SLAMの計測ルートを参考にしてください。
  • 現場座標や高さが合わない:既知点との対応と検証方法を追加します。社内で組めなければ、位置合わせだけを専門家に任せます。
  • Studioで確認できても後工程へ渡せない:必要なファイル形式とCAD作業を先に決めます。解決するまで、その用途を購入の理由にはしません。
  • 結果の良し悪しを社内で判断できない:外注の成果と比べるか、専門家の確認を残します。

まとめ:最初の1件を一巡した記録で判断

繰り返す仕事が決まり、社内で確認まで回せるなら購入です。まだ分からないならレンタルで一巡し、精度を保証する成果は外注に残します。

次の案件から、断面・距離・面積のどれか一つを欲しい成果として選んでください。図面に位置を書き込んでから借りれば、一巡した記録で上の費用表が埋まります。購入・レンタル・外注のどれにするかを、数字で説明できるようになります。