RTKドローンならGCPは不要?標定点を減らせる条件と検証点の置き方

RTKドローンならGCPは不要?標定点を減らせる条件と検証点の置き方

RTKドローンでも、検証点は省けません。減らせる可能性があるのは、GCP(標定点)のほうです。それも「RTKでFIXした」ことが根拠ではありません。位置合わせに使わない検証点で、許容差に入ったことを根拠に決めます。

用途で分けると、次のように判断します。

  • 社内で形や土量の傾向を見るだけ:RTKのカメラ座標で処理します。範囲の中央・外周・高さの違う場所に検証点を置き、全体のずれを確かめます。許容差に入れば、GCPなしの処理で進めます。
  • 発注者へ出す出来形や測量成果:適用する要領が定める標定点・検証点の数と配置に従います。RTKで標定点を減らせるかどうかも、その要領の規定で決まります。

RTK・GCP・検証点は役割が違い、互いの代わりにはなりません。

種類役割
RTK写真ごとのカメラ位置を記録する
GCPモデル全体を現場座標へ合わせる
検証点でき上がった成果を外から確かめる

成果に使う面を複数の写真に残す撮影

SfMは、複数の写真に写った同じ特徴を対応づけて、カメラの位置・向きと粗い三次元形状を求めます。その後、MVSなどの処理で密な点群を作ります。どちらの段階も、同じ地表や構造物が隣り合う複数の写真に鮮明に写っていることが前提です。

必要な重なりは、飛行高度や地形の起伏、カメラ、成果の用途で変わります。法面や構造物の側面まで必要なら、真下向きの写真だけで足りるかを、飛ぶ前に決めます。

撮影後は、写真の枚数ではなく、写り方を見ます。確かめるのは、ぶれ・露出・ピントと、必要な範囲が写っているかです。対応点を作りにくい対象もあります。

  • 水面・光沢面・模様の少ない面
  • 動く車両や人
  • 風で揺れる植生

こうした対象では、点群が欠けたり形が崩れたりします。写真に写っていない情報は、処理設定では補えません。

RTK写真の精度情報の渡し方

RTK写真を使う場合は、画像に記録されたカメラ座標だけでは足りません。その精度情報・座標系・高さの扱いも、処理ソフトへ正しく渡します。AgisoftのRTK写真処理手順も、精度設定を読み込まないとRTK測位の情報を期待どおりに使えないと説明しています。

GCPを使う場合は、現地で座標を測り、写真上の対応位置を指定してモデルの調整に使います。検証点はその調整から外し、成果上の座標と現地で測った座標を比べます。Agisoftの標定点・検証点の手順でも、control pointとcheck pointの役割を分けています。control pointはモデルの位置合わせ、check pointは精度評価に使います。

GCPと検証点の配置図

点数は、業務・工種・計測手法と、適用する要領の版を特定してから、その規定に従います。規定がない社内用途では、区域の広さと形から決めます。外周・中央・高低差のある場所を、ひととおり確かめられる数にします。配置は次の順で決めます。

  1. GCPは、成果が必要な範囲を囲むように置きます。一角に固めません。
  2. 検証点は、GCPから離れた場所、範囲の中央、高さの違う場所(法肩と法尻など)に置きます。GCPのすぐ近くの検証点は誤差が小さく出やすく、範囲全体の確認になりません。
  3. 写真上で中心を特定できる標識を使います。植生や影で隠れる場所は避けます。

安全や立入りの条件で、予定の場所に置けない場合もあります。そのときは、置けない範囲と理由を記録します。点を移すか、計測範囲を変えるか、別の方法で検証するかは、撮影前に決めます。

合否は検証点の較差で判定

写真の位置合わせが終わったら、次の点を確かめます。

  • 位置合わせできなかった写真がないか
  • カメラ配置が乱れていないか
  • 疎な点群に欠けや誤対応がないか

問題がなければ、高密度点群・地表面・オルソ画像を作ります。点群が画面に表示されても、必要な精度に入った証拠にはなりません。

検証点ごとに、平面位置と高さの差を分けて表にします。合否はソフトの標準表示や平均値ではなく、その仕事の許容差で決めます。誤差の大きい検証点をGCPに変えると、独立した確認点が減り、見かけの誤差だけが小さくなります。処理後に検証点をGCPへ変えることはしません。

誤差が大きいときの再処理と撮り直しの分け方

検証点のずれ方を見ると、どこへ戻ればよいかが分かります。

ずれ方見直す点対応
区域全体で同じ方向へずれる座標系・系番号・楕円体高と標高・ジオイド・RTKカメラ座標の扱い・GCP座標の入力原画像から再処理。再飛行は不要
区域の端や高低差の大きい場所だけ誤差が増える写真の重なり・撮影方向・GCPと検証点の配置必要な面が写っていなければ、その場所を撮り直す
植生や車両の上で高さがずれる地表分類分類を直して再処理
画像のぶれや露出不良、広い欠測、検証点を写真上で識別できない撮影そのもの設定では直らないので撮り直す

ラクソクGeo利用時も残す検証点の表

ラクソクGeoの公式ページでは、ドローン写真から点群を自動作成する流れを案内しています。その先の、指定範囲の2時点土量比較や所定フォーマットの報告書作成までが対象です。写真から土量管理用の点群を作りたい場合の候補です。

提出成果に独立した精度確認が必要なら、Geoで点群を作ったうえで、検証の記録を別に残します。適用する要領に沿ったGCP・検証点の記録と、較差の表です。

まとめ:飛ぶ前に決める3つのこと

RTKドローンでGCPを減らしたいなら、飛ぶ前に次の3つを決めておきます。

  1. 成果の用途と許容差:社内の土量把握か、発注者へ出す成果か。平面と高さで、どこまでの差を許すか。
  2. 適用する要領と版:提出成果なら、標定点・検証点の数と配置、精度の判定方法をその規定から写し取ります。
  3. 検証点の位置:GCPから離れた場所、範囲の中央、高さの違う場所を配置図に入れます。

撮影・処理後に、検証点の較差が許容差に入っていれば、その点数のGCPで足りています。入らなければ、上の表で再処理か撮り直しかを決めます。判断の基準は、GCPを何点減らせたかではありません。検証点の表で、精度を説明できるかです。