営業中の施設をどう3D計測する?区画と補測の決め方

営業中の施設をどう3D計測する?区画と補測の決め方

営業中の店舗・工場・倉庫は、全域を一度で取ろうとしません。先に必要な壁・柱・床・固定設備を決め、その面を取れる区画と時間帯へ分けます。各区画は、時間が変わっても動かない面でつなぎます。

人や車両の点を後から消しても、その背後に隠れていた面は復元しません。背景が取れていなければ別方向・別時間で補測し、それもできなければ成果の対象外として範囲を残します。

計測したい面を、平面図や案内図へ置きます

「施設全体の点群」から計画を始めると、何を取れば終了かが決まりません。改修図を作るなら必要な平面・立面・断面、設備更新なら機器外形と搬入経路など、計測後に読む面と位置を図に置きます。

その図に、人・台車・車両の多い時間、開閉する扉、可動棚、停止できない設備、立入禁止、計測者が止まれる場所を重ねます。すると、営業中に取る区画、通行の少ない時間へ回す区画、停止時だけ開放できる区画を分けられます。

区画の境界は、車両や可動棚ではなく、柱、角を持つ壁面、床、固定設備など、両方の時間帯で状態が変わりにくい対象を重ねられる場所にします。

経路は通り抜けるだけでなく、つながりを取ります

手持ち・背負い型のLidarSLAMでは、移動中に見えた周囲の特徴から軌跡を推定します。同じような壁が続く通路を一方向に通るだけ、急に向きを変える、センサから固定面が長く見えない状態は、軌跡と点群の登録を不安定にする原因になります。

対応機種の例として、NavVis MLXの通路・階段の公式手順は、往復で計測してループを閉じ、急停止や急な方向変換を避け、動く人がいる場合はセンサーをその動きから外すことを案内しています。これらは該当機種の手順なので、実際に使う機器の画面表示と操作に従います。

据置型レーザースキャナーを複数位置で使う場合も、隣り合うスキャンに共通して見える固定面が必要です。Trimble X7/X9の公式登録手順は、自動登録で合わない場合に重なる面を使った手動登録を案内し、それでも不十分なときは中間にスキャン位置を追加するよう示しています。

区画を終えるたびに、現場で欠測とずれを見ます

データを持ち帰ってから全域を初めて見るのでは、動く対象の背景や立入できない区画を同じ条件で取り直せません。区画ごとに、使用機器で現地確認できる範囲を表示し、次を見てから場所を離れます。

  • 予定経路と実際の軌跡がつながり、急な飛びや切断がないか。
  • 区画どうしの共通面と往復部が重なり、壁・床・柱が二重になっていないか。
  • 成果に必要な壁、床、設備の輪郭が取れ、車両や棚を消した後も背景が残るか。
  • 断面を切る位置や接続部に、判断できない空白や異常な波打ちがないか。

NavVisのクオリティマップ確認項目も、計測を終える前に軌跡の連続、重複、ループ、範囲、移動体を確かめるよう示しています。公共測量でLidarSLAMを使うときは、この現場確認だけでは足りません。国土地理院の現行マニュアルに従い、用途に応じた要求精度、精度・性能試験、標定点・検証点、計測計画図・実績図、点検測量を別に満たします。

補測で直らなければ、方式または成果範囲を変えます

動く対象の背後が空白なら、その点を除去する処理は打ち切ります。通行の少ない時間へ回す、別方向から取る、一時的に可動物を移動してよいか施設側と決める、のどれかで補います。

同じ区画をゆっくり往復しても軌跡が飛ぶ、固定面が二重になる場合は、長い一続きのSLAM計測を繰り返しません。経路を短い区画へ分けて安定した共通面でつなぐか、据置型スキャナーなど別の方式で必要範囲を取ります。立入できず他方式でも取れない場所は、取得済みのように補間せず、対象外・欠測として示します。

ラクソクRentは、代表区画で断面まで確かめてから判断します

ラクソクRentは、Scan Handy1、操作用のラクソクGo、ラクソクStudio、PCのセットを案内しています。取得データはUSBでPCへ移し、Studioで任意断面、2点間距離、高低差、面積を確認できます。

施設全域へ使えると先に決めず、通路、開閉扉、固定設備、動く対象を含む代表区画を取ります。必要な断面と寸法をPC上で読めるか、欠測を説明できるかまで試し、通らなければ区画設定または計測方式を変えます。公式ページも、すべての環境での利用を保証していません。