パシフィックコンサルタンツとオプティム、スマホ測量に自治体向けインフラ点検機能を追加

2026年10月7日、パシフィックコンサルタンツとオプティムは、自治体のインフラ点検業務を効率化するために提携し、スマホ測量サービス「OPTiM Geo Scan」の拡張機能「インフラ点検ミニアプリ」の提供を始めたと発表しました。オプティムが開発し、パシフィックコンサルタンツの運用ノウハウや現場での課題認識を設計に反映しました。同アプリはGeo Scanのオプションサービスです。

宅地擁壁の点検票をスマホで記録

ミニアプリには、宅地造成及び特定盛土等規制法の対象となる宅地擁壁について、国土交通省の「宅地擁壁の健全度判定・予防保全対策マニュアル」に基づく点検シートを搭載しています。自治体職員などの利用者は、現地で確認した内容をスマホから直接入力し、そのまま管理できます。

入力した点検記録には位置情報と写真データが自動で紐付きます。両社は、記録と写真の取り違えを防ぎ、対処の優先順位や必要な措置を判別できると説明しています。紙の点検票、写真、位置の情報を別々に扱う作業を、現場の一つの流れにまとめる機能です。

点検後の測量と図面作成も同じ端末で実施

Geo Scanでは、診断に続いて測量し、断面図や現況図、設計検討に必要な図面を作成するところまでスマホで進められます。宅地擁壁の状態を記録するだけでなく、現況確認や概略の設計検討に使う基礎資料を取得する用途を想定しています。

従来の流れでは、現場調査の後に事務所で写真を整理し、図面を作成する工程がありました。両社の説明では、ミニアプリとGeo Scanを組み合わせることで、位置確認、点検入力、写真の紐付け、点群取得、断面図作成までを現場で扱えます。

点検記録に点群と公共座標付きデータを加える

利用者が受け取るのは、入力した点検記録、それに紐付く位置情報と写真に加え、測量で取得した3Dデータです。3Dデータは、対象物の形状を三次元の点群として取得したものです。点群から断面図や現況図を作り、設計検討用の図面につなげます。

Geo Scanは公共座標付きデータにも対応します。点検対象の場所、写真、判定内容と、形状を示す点群・図面を関連付けて扱えるため、現場確認後の資料整理や関係者間の現況確認に用いるデータの形が変わります。

mm精度と作業時間短縮には適用条件

公共座標付きのmm精度データは、オプティム所定の測定条件下で取得した場合の精度です。測位環境、対象物、通信環境などによって結果は異なります。また、構造物の変位観測に使う3Dデータのmm精度についても、発表上の説明であり、すべての利用環境で一律に得られる精度を示すものではありません。

作業時間を約80%短縮したという数値は、2026年3月時点のパシフィックコンサルタンツによる検証結果です。国土交通省の「設計業務等標準積算基準書」に基づく従来手法の約150分と、Geo Scanおよびミニアプリによる実測約30分を比較したもので、利用条件により結果は異なります。

ミニアプリの料金と契約条件は問い合わせが必要です。盛土の経過観察機能は開発中で、今後の提供が予定されており、今回の提供開始時点では利用できません。