【ドローン教科書 第2回】機体登録とリモートIDは何が必要?表示・更新・免除の条件

【ドローン教科書 第2回】機体登録とリモートIDは何が必要?表示・更新・免除の条件

重さ100g以上のドローンは、国に登録しないと飛ばせません。特定飛行かどうかに関係なく、すべての無人航空機が対象です。登録すると登録記号が発行され、機体への表示と、電波で識別情報を発信する「リモートID」の搭載が必要になります。

この回で押さえる要点は次の3つです。

  • 登録の有効期間は3年で、更新しないと効力を失う
  • 登録記号は、機体の重さに応じた文字の高さで表示する
  • リモートIDは原則として必須で、免除されるのは4つの場合だけ

登録制度の目的

登録制度は、2022年6月20日に義務化されました。目的は次の3つです。

  1. 事故が起きたときに、機体の所有者を特定する
  2. 事故の原因を調べ、安全対策に生かす
  3. 安全上問題のある機体を登録させない

登録していない機体を飛ばすと、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。屋内だけで飛ばす場合など、航空法が適用されない飛行もあります。ただし、屋外の現場で使う業務用の機体は、登録が前提と考えてください。

登録できない機体

次の機体は登録を受けられません。

  • リコール対象など、国が登録できないと指定した機体
  • 表面に不要な突起物があるなど、人にぶつかったときに危険が大きい機体
  • 遠隔操作や自動操縦での制御が著しく難しい機体

自作機や改造機も登録できますが、上の条件に当たらないことが前提です。

登録の手続きと登録記号の表示

申請は、国のドローン情報基盤システム(DIPS2.0)からのオンライン申請か、書類の提出で行います。手数料の納付まで終わると、登録記号が発行されます。

登録記号は、外から見やすく、簡単に外れない場所に、耐久性のある方法で表示します。文字の高さは、機体の重さで決まります。

最大離陸重量登録記号の文字の高さ
25kg以上25mm以上
25kg未満3mm以上

文字の色は、表示する面の地色と見分けやすい色にします。シールを貼る場合は、雨や摩擦ではがれないものを選びます。

更新・変更・抹消の届出

登録の有効期間は3年です。3年ごとに更新しなければ、登録の効力を失います。

所有者や使用者の氏名・住所などが変わったら、15日以内に変更の届出が必要です。機体を人に譲ったときは、譲り受けた新しい所有者がこの届出をします。機体を廃棄した場合や、行方が2か月間分からない場合は、15日以内に登録の抹消を申請します。

会社で機体を持つ場合は、次のような場面で届出が漏れやすくなります。

  • 担当者の異動で、使用者が変わった
  • 本社移転で、所有者の住所が変わった
  • 墜落した機体を修理せずに廃棄した

機体の一覧表に、登録記号と有効期限、使用者の名前を並べておくと、更新や届出の漏れを防げます。

リモートIDの仕組み

リモートIDは、機体の識別情報を電波で発信する機能です。機体に内蔵されたものと、後から取り付ける外付けのものがあります。発信する情報は次のとおりです。

種類内容
静的情報製造番号、登録記号
動的情報位置、速度、高度、時刻

所有者や使用者の個人情報は発信されません。発信の頻度は、1秒に1回以上です。

飛行前の確認項目にも、リモートIDが正しく動いているかが含まれます。外付け型を使う場合は、充電と取り付けの状態を毎回確かめます。

リモートIDが免除される4つの場合

次の場合は、リモートIDを搭載しなくても飛ばせます。

  1. 登録の義務化前(2022年6月19日まで)の事前登録期間に登録した機体
  2. 国に届け出た「リモートID特定区域」の上空で、補助者の配置や区域の明示などの措置を講じて飛ばす場合
  3. 長さ30m以内の十分な強度のひもなどで係留して飛ばす場合
  4. 警察や海上保安庁が、秘匿が必要な業務で飛ばす場合

1の機体でも、登録記号の表示は必要です。2の特定区域は、飛行を始める日の5開庁日前までに国へ届け出た区域に限られます。

違反したときの扱い

登録に関する違反には、罰則と、資格を持つ人への行政処分があります。行政処分の点数は、国の基準に定められています。

違反罰則行政処分の点数
登録していない機体を飛ばす1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金8点
登録記号を表示せずに飛ばす、搭載義務のある機体にリモートIDを付けずに飛ばす50万円以下の罰金1点

変更の届出や抹消の申請をしない場合は、30万円以下の過料の対象です。行政処分の点数は、それぞれ1点です。点数と処分の関係は、第8回で説明します。

まとめ:登録・表示・リモートIDの3点を毎回確認

ドローンを飛ばす前には、登録の有効期限、登録記号の表示、リモートIDの作動の3点を確かめます。登録と表示は、特定飛行かどうかに関係なく必要です。リモートIDも、免除に当たらない限り搭載が必要です。

会社で複数の機体を持っているなら、まず全機体の一覧表を作ってください。登録記号・有効期限・使用者・リモートIDの種類を1行ずつ並べ、期限の3か月前に更新の準備を始めます。

確認問題

問1 最大離陸重量8kgの機体に、登録記号を高さ2mmの文字で表示しました。これで足りますか。

答え 足りません。25kg未満の機体は、3mm以上の文字で表示します。

問2 リモートIDが発信する情報に、所有者の氏名は含まれますか。

答え 含まれません。発信されるのは、製造番号・登録記号と、位置・速度・高度・時刻です。

問3 長さ20mの丈夫なロープで機体を係留して飛ばします。リモートIDは必要ですか。

答え 不要です。30m以内のひもなどで係留する飛行は、リモートIDの搭載が免除されます。ただし、登録と登録記号の表示は必要です。